映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」
「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」
映画化決定を知ってから一年以上、日本での公開を待っていました。
8月26日上映開始されましたが、やっと観に行くことができました。
原作は「ボブという名のストリートキャット」という世界的ベストセラーとなった書籍で、
著者のジェームズと猫のボブ、1人と1匹に起こった実際の物語です。
映画は「ボブという名のストリートキャット」と続編の「ボブがくれた世界」との2冊を合わせた内容になっていました。
元ホームレスで薬物依存の治療中であるストリートミュージシャンのジェームズ。
ジェームズが保護した傷を負った猫のボブ。
ボブはジェームズにすぐに懐き、一時的に保護したつもりが結局ボブを買うことに。
ボブは不思議な魅力を持つ猫で、ボブを連れて街に出るとすぐに声をかけられたり、人だかりができたりします。
少しずつジェームズの周りの世界が変わり出し、ついにジェームズの半生とボブとの物語を描いた書籍がベストセラーになるまでの奇跡と感動の実話です。
しかし、ボブと出会ってからすべてがトントン拍子に上手くいったわけではありません。
つらいことや理不尽なことも相変わらずたくさんあります。
それでも乗り越えていけたのはやはりボブがそばにいてくれたからだと思います。
猫やペットは直接的に人間の役に立つことは少ないでしょう。
だけど、その飼い主にとってはいてくれるだけで大きく世界は変わると私は思います。
心の支えにもなってくれるし、自分が面倒を見なくてはいけない相手でもある。
自分の生活の中に、自分以外の存在ができることで、なんとしても生きていくという張り合いができると思います。
つらいことがあったら、もちろん傷ついて落ち込むけれど、ただ側にいてくれる存在があるだけで、一人でいる時よりもよっぽど踏ん張りがきくようになります。
ボブはストリートライブを盛況させたり、直接的にジェームズの助けにもなりましたが、
本当にボブがしてくれたことは、ジェームズの心を変化させてくれたことです。
薬物依存から完全に抜けだし、人生と向き合う勇気と強さをくれました。
ジェームズほど人生が極端に好転するのは珍しいと思いますが、そばに寄り添ってくれる相手ができることで、自分自身の中で変化が起きはじめ、人生さえ変わっていく。
ボブはジェームズに幸せをポン!とくれたのではなく、幸せをつかむチャンスをくれました。そしてそのチャンスを見事につかみ、新しい人生を切り開いたジェームズもとても立派だと思います。
映画「ボブという名の猫」は書籍の感動をそのまま映像で伝えてくれていて素晴らしかったです。
あと、クライマックスの本のサイン会のシーンでのサプライズはファンにとってはすごくうれしかったです。思わず「あ!」と声を上げそうになりました。
ジェームズとボブは今でも一緒に暮らしています。少しでも長く1人と1匹の幸せが続くことを願っています。